蚊
わが宿は蚊のちいさきを馳走也 芭蕉
蚊の声やもち搗内の一夜酒 土芳
古井戸や蚊に飛ぶ魚の音くらし 蕪村
うは風は蚊の流れゆく野河哉 蕪村
昼を蚊のこがれてとまる徳利かな 蕪村
草の戸の草に住蚊も有ときけ 太祇
あまた蚊の血にふくれ居る座禅哉 太祇
蚊一つの一日さはぐ枕哉 一茶
蚊声やほのぼの明し浅間山 一茶
年寄と見るや鳴蚊も耳の際 一茶
一つ蚊のだまつてしくりしくり哉 一茶
釣鐘の中よりわんと鳴く蚊哉 一茶
隙人や蚊が出た出たと触歩く 一茶
昼の蚊やだまりこくつて後から 一茶
御仏にかぢり付たる藪蚊かな