赤彦茴香の花の静みにほのゆるる宵のかをりや星に沁むらん
赤彦うゐきやうの花の畑に宵はやく眠れる星を二人見にけり
白秋わが世さびし 身丈おなじき茴香も薄黄に花の咲きそめにけり
白秋茴香の花の中ゆき君の泣くかはたれどきのここちこそすれ
憎悪のこころ夏より秋にかけ茴香の花の咲くもあはれや
茅舎茴香の夕月青し百花園