和歌と俳句

瓜の花

花瓜や絃をかしたる琵琶の上 言水

瓜の花雫いかなる忘れ艸 芭蕉

夕にも朝にもつかず瓜の花 芭蕉

美濃を出てしる人まれや瓜の花 支考

夕晴の雲や黄色に瓜の花 支考

雷に小家は焼れて瓜の花 蕪村

添竹も折れて地に伏す瓜の花 子規

蝶を追ふ虻の力や瓜の花 子規

雲ひくし風呂の窓より瓜の花 龍之介

夕鰺を妻が値ぎりて瓜の花 虚子

瓜すでにころがつてをり花ざかり 青邨

土蔵もて史蹟としたり瓜の花 風生

瓜咲くや一つになつて村の音 耕衣