和歌と俳句

梅雨夕焼

梅雨の間の夕焼誰ももの言ひやめ 楸邨

妻うたふ梅雨夕焼の厨より 楸邨

闇市や梅雨夕焼に貫かれ 楸邨

爪剪るや梅雨夕映の足を抱き 楸邨

食ひのばす米も終りぬ梅雨夕焼 楸邨

ほのぼのと梅雨夕焼けの夕べかな 石鼎

爪にさす梅雨夕焼の寂寥を 楸邨

梅雨夕焼初ひぐらしもまた淡し 秋櫻子

梅雨夕焼負けパチンコの手を垂れて 波郷

遊ぶ子を分けゆき熱し梅雨夕焼 林火