和歌と俳句

芭蕉 (野ざらし紀行)
霧しぐれ富士をみぬ日ぞ面白き

雲霧の暫時百景をつくしけり 芭蕉

名月に麓の霧や田のくもり 芭蕉

橋立や景過もせず霧のひま 素堂

あさぎりに一の鳥居や波の音 其角

朝霧や村千軒の市の音 蕪村

霧はれて高砂の町まのあたり 蕪村

霧ふかき廣野にかかる岐かな 蕪村

秋霧やあさぢを過る水戸肴 一茶

樒さす手からも霧は立にけり 一茶

秋霧に河原撫子りんとして 一茶

有明や浅間の雰が膳をはふ 一茶

山雰のさつさと抜る座敷哉 一茶

大仏の鼻から出たりけさの雰 一茶

山雰の足にからまる日暮哉 一茶

夕霧や馬の覚えし橋の穴 一茶

良寛
月よみに門田の田居に出て見れば遠山もとに霧たちのぼる

良寛
夕霧にをちの里べは埋れぬ杉たつやどに帰るさの道