和歌と俳句

冬日和 冬晴れ

虚子
天気ややおちたるかとも冬日和

月二郎
冬晴の土ながめ居る恙かな

蛇笏
冬晴や伐れば高枝のどうと墜つ

蛇笏
冬晴れや次ぐ訪客にゆめうつつ

蛇笏
山路見ゆ瀧川ごしの冬日和

草城
冬晴やさびしくなりし嵐山

草城
冬晴やふたゝびはいる西大寺

みどり女
冬晴や憩へる前のいばらの実

久女
冬晴の雲井はるかに田鶴まへり

立子
冬晴や蔵のやうなる家ばかり

立子
馳けてゐる少年少女冬日和

虚子
照り曇り心のままの冬日和

蛇笏
冬晴れし夢のうすいろ遠嶺空

茅舎
冬晴れを我が肺は早吸ひ兼ねつ

茅舎
冬晴をまじまじ呼吸困難子

茅舎
冬晴をすひたきかなや精一杯

立子
よく続く冬日和かな母を訪ふ

虚子
ただ中にある思ひなり冬日和

林火
冬晴れやつぎの標にもバスを待つ

草城
たのしげに煙立ちのぼり冬日和

草城
闇市の混沌として冬日和

普羅
冬晴や水上たかく又遠く

万太郎
ぬかるみにとらるゝ下駄や冬日和

青畝
山国や夢のやうなる冬日和

蛇笏
鐡橋に水ゆたかなる冬日和

立子
冬晴の玉蟲色に鳩歩く

鷹女
小説のごとき邂逅冬晴れて

草城
冬日和誓子が近くなりにけり

>蛇笏
やまぐにの河に鳶舞ふ冬日和

草城
冬晴れや鵙がひとこゑだけ鳴いて

草城
冬晴れや朝かと思ふ昼寝ざめ

立子
昨日よりもをとゝひよりも冬日和

多佳子
冬晴の影ふかぶかと伽藍の溝

立子
冬晴のまこと美くし玻璃拭ふ

立子
冬晴の雀ぴかぴかとびにけり

立子
冬晴や世にも小さな峠越す

立子
冬晴や入るを許さぬ道返す

立子
冬晴の仙台のこの空の色