青わさび蟹が爪木の斧の音 杉風
蕎麦打テば山葵ありやと夕かな 召波
おもしろうわさびに咽ぶ泪かな 召波
山葵ありて俗ならしめず辛キ物 太祇
春寒くすり下したる山葵かな 龍之介
ほろほろと泣きあふ尼や山葵漬 虚子
水清く山葵はかなくて人に辛し 青邨
頬時雨ゆくりなかりし山葵かな 青畝
雪いくたび降りし山葵ぞ抜かれたる 水巴
沢水は春も澄みつつ山葵生ふ たかし
流れゐる水のきららに山葵咲く たかし
聞くからにささやく水の花山葵 たかし
山の日にみどりつめたく山葵生ふ たかし
ゆく水のたえずにごらず山葵生ふ たかし