和歌と俳句

入学

入学した子の能弁をきいてをり 碧梧桐

入学式の幕ふくれきて頬にふるゝ 爽雨

凧の子に入学明日に迫りたり 風生

入学兒胸呑ませ穿く長袴 青畝

入学の子に随ひて上洛す 播水

炭坑の汽車に乗り来て入学す 誓子

入学や昆布ほしたる学びの舎 誓子

入学や山河越え来し夢を現 石鼎

入学児に鼻紙折りて持たせけり 久女

入学のはかま瀧縞敵役 万太郎

入学の房のつきたる帽子かな 万太郎

入学や草履ぶくろの花模様 万太郎

長唄のおしよさんの子入学す 万太郎

入学の子の胸高にはく袴 万太郎

入学の一つ時にさくら咲けるかな かな女

新入生靴むすぶ顔の充血する 誓子

品川の海のまばゆし入学す 万太郎

入学の母子の道の海寄りに 誓子

入学の子の顔頓に大人びし 虚子

わが孫の村孃と群れて入学す 秋櫻子

病児睡て入学ちかきかなしさよ 波郷

一樹無き小学校に吾子を入れぬ 波郷

雨雲の暗き母と子入学す 波郷

焼工場左右に赭しや入学す 波郷

蒲公英の黄のかくも濃し入学す 万太郎

菅笠の農婦の母と新入生 誓子

入学の出でゆくあとを祖父散歩 爽雨

入学の朝の洗面水をはね 爽雨

母の手の梶入学はどろんこ道 静塔

漆黒にとどく入学服と帽と 爽雨