和歌と俳句

仔猫 猫の子

ねこの子やいづく筏の水馴竿 言水

猫の子のくんづほぐれつ胡蝶哉 其角

猫の子や秤にかかりつつざれる 一茶

蝶々を尻尾でなぶる小猫哉 一茶

猫の子や親を離れて眠り居る 鬼城

猫の子のなつくいとまや文づかひ 蛇笏

猫の子のつくづく見られなきにけり 草城

猫の子の針箱こけし真逆様 風生

地に下りて浮足踏める仔猫かな 月二郎

しげしげと子猫にながめられにけり 草城

猫去つて猫の子二つ残りけり 草城

置かれたるところを去らぬ子猫かな 草城

猫の子を叱れば何か啼きにけり 淡路女

われを視る眼水色に今年猫 蛇笏

絨毯に手籠の猫子はなたれぬ 蛇笏

猫の子の泣いて見上げてなぐさまず 汀女

猫の子のすぐ食べやめて泣くことに 汀女

寵愛の仔猫の鈴の鳴り通し 虚子

スリツパを越えかねてゐる仔猫かな 虚子

紙とんでゐしなはあらず仔猫かな 立子

西もひがしもわからぬ猫の子なりけり 万太郎

猫の子が道の一町先へ来て 誓子

わが仔猫神父の黒き裾に乗る 静塔

猫の子も舌ちらちらとおのれ舐む 草城

子猫ねむしつかみ上げられても眠る 草城

仔猫の斑夕月の斑とにほやかに 草田男

口あけて一声づつの仔猫泣く 汀女

捨仔猫見捨てし罪を負ひ帰る 多佳子

くすぐつたいぞ円空仏に子猫の手 楸邨

生れたる猫の子われの膝と逢ふ 楸邨