うぐひすの来鳴く山吹うたがたも君が手触れず花散らめやも 大伴池主
山吹の茂み飛び潜くうぐひすの声を聞くらむ君は羨しも 家持
山吹は日に日に咲きぬうるはしと我が思ふ君はしくしく思ほゆ 大伴池主
咲けりとも知らずしあらば黙もあらむこの山吹を見せつつもとな 家持
吉野河岸の山吹ふく風にそこの影さへうつろひにけり 貫之
色見むと植ゑしもしるく山吹の思ぐさまにも咲ける花かな 好忠
あぢきなく思ひこそやれつれづれと独や井手のやまぶきの花 和泉式部
岸近みかはづぞすだく山吹のかげさへちると見るやわびしき 経信
水底に沈める枝の雫には濡るとも折らん山吹のはな 俊頼
身のうさにかさねてものを思へとや移ろひぬらむ山ぶきの花 俊成
きし近みうゑけん人ぞ恨めしき波にをらるる山吹の花 西行
ちらすなよゐでのしがらみせきかへしいはぬ色なる山ぶきの花 定家
すぎてゆくま袖ににほふ山吹に心をさへもわくるみちかな 定家
にほふより春は暮れゆく山吹の花こそ花のなかにつらけれ 定家
吉野川岸のやまぶき咲きにけり嶺のさくらは散りはてぬらむ 家隆