ほろほろと山吹ちるか滝の音 芭蕉
山吹や笠に指すべき枝の形り 芭蕉
山ぶきのあぶなき岨のくづれかな 越人
山吹や水にひたせるゑまし麦 惟然
山吹のほとけかかるや水の幅 千代女
山吹や影も狂はぬ水の影 千代女
山吹や花ありたけを水に置 千代女
山吹や柳に水のよどむころ 千代女
山吹やとへばこたへの比丘尼寺 也有
山吹や井手を流るる鉋屑 蕪村
山ぶきや雨水ひかぬ地のひくみ 召波
しのび路のやまぶきかゝる髻かな 暁台
山吹や葉に花に葉に花に葉に 太祇
山吹や腕さし込で折にけり 太祇
山吹や胡粉の見ゆる雨の後 几董
山吹や池をへだてゝ入日さす 青蘿
山吹をさし出し皃の垣ね哉 一茶
山吹にぶらりと牛のふぐり哉 一茶
山吹や先御先へととぶ蛙 一茶