和歌と俳句

林檎の花

紺かきが竹虎がくれや花林檎 几董

南部富士近くて霞む花林檎 青邨

みちのくの山たたなはる花林檎 青邨

面つゝむ津軽をとめや花林檎 虚子

彳みて林檎の花の四方の中 風生

牛鳴いてのどかなるかな花林檎 立子

林檎散る晝かみなりの鳴るなべに 虚子

林檎咲き海また白き雨のあと 秋櫻子

鳴く雲雀林檎の花影畑に満つ 秋櫻子

一歩一歩に日光新た花林檎 林火

白雲や林檎の花に日のぬくみ 林火

花林檎一と昔否大昔 立子

まどろみの覚め白さびし花りんご 汀女