うづききてねぶとに鳴や郭公 宗鑑
音をみみに夏断さするか子規 季吟
名乗りけり大をんじやうしほととぎす 季吟
鯉はねて水静也郭公 言水
流れ去る夜やなら茶舟時鳥 言水
禿山や夏をしらする郭公 才麿
岩躑躅染むる涙やほととぎ朱 芭蕉
またぬのに菜売に来たか時鳥 芭蕉
ほととぎす正月は梅の花咲けり 芭蕉
清く聞ん耳に香焼て郭公 芭蕉
戸の口に宿札なのれほととぎす 芭蕉
鳥さしも竿や捨けんほととぎす 芭蕉
ほととぎすなくなくとぶぞいそがはし 芭蕉
須磨のあま矢先に鳴くか郭公 芭蕉
ほととぎす行方や嶋一つ 芭蕉
ほととぎすうらみの滝のうらおもて 芭蕉
田や麦や中にも夏のほととぎす 芭蕉
野をよこに馬牽むけよ郭公 芭蕉
落くるやたかくの宿の郭公 芭蕉
ほととぎす大竹藪をもる月夜 芭蕉
杜鵑鳴音や古き硯ばこ 芭蕉
郭公声横たふや水の上 芭蕉
木がくれて茶摘も聞やほととぎす 芭蕉
此名残古郷も遠し時鳥 素堂
きかぬやうに人はいふなり時鳥 鬼貫
ほととぎす耳すり払ふ峠かな 鬼貫
津の国の玉川しれずほととぎす 鬼貫
空に鳴や水田の底のほととぎす 鬼貫
あの声でとかげくらふかほととぎす 其角
風の日は何にかたよる杜宇 杉風
提灯の空に詮なしほととぎす 杉風
あかつきの鐘をさそひし郭公 杉風
行燈を月の夜にせんほととぎす 嵐雪
郭公なくや雲雀と十文字 去来
ほとゝぎす何もなき野の門構 凡兆
郭公顔の出されぬ格子かな 野坡
しら浜や何を木陰にほとゝぎす 曾良
時鳥雨のかしらを鳴て来る 浪化