ほととぎすちかふ聞ばとたちつくし 千代女
よい耳を借りて行かばや郭公 千代女
一こゑは人につまづくほととぎす 千代女
ほとゝぎす三日聞ねば初音哉 也有
聞かぬとし有も命ぞ蜀魂 也有
一雨の一升泣やほととぎす 蕪村
春過てなつかぬ鳥や杜鵑 蕪村
子規柩をつかむ雲間より 蕪村
ほととぎす平安城を筋違に 蕪村
名のれ名のれ雨しのはらのほととぎす 蕪村
岩倉の狂恋せよ子規 蕪村
ほととぎす待つや都のそらだのめ 蕪村
稲葉殿の御茶たぶ夜や時鳥 蕪村
耳うとき父入道よほととぎす 蕪村
哥なくてきぬぎぬつらし時鳥 蕪村
あかつきの一言ぬしやほとゝぎす 召波
ほとゝぎす啼やあふみの西東 召波
子規なくや夜明の海がなる 白雄
蜀魂なくや矢をつく雨の中 青蘿
月よりは上ゆくものかほとゝぎす 几董
探幽があけぼのゝ夢や子規 几董
時鳥我身ばかりに降雨か 一茶
時鳥火宅の人を笑らん 一茶
如意輪も目覚し給へ時鳥 一茶
江戸入の一ばん声やほととぎす 一茶
臼ほどの月が出たとや時鳥 一茶
三日月に天窓うつなよほととぎす 一茶
うす墨を流した空や時鳥 一茶
時鳥なけや頭痛の抜る程 一茶
歩ながらに傘ほせばほととぎす 一茶
とびくらをするや夜盗と時鳥 一茶
どこを押せばそんな音が出る時鳥 一茶
良寛
夏山をこえて鳴くなる時鳥聲のはるけきこの夕べかも
良寛
いづちへか鳴きて行くらん時鳥さ夜ふけ方にかへるさの道
良寛
旅人にこれを聞けとやほととぎす血に鳴く涙かわかざりけり
良寛
時鳥なが鳴く聲をなつかしみ此の日暮しつ其の山のべに
良寛
あしびきの國上の山を今もかも鳴きて越ゆらん山ほととぎす