和歌と俳句

小春 小六月

石鼎
巌によれば山のつめたき小春かな

石鼎
犬呼ぶ4に口笛かすれ小春かな

石鼎
揚げ船の濡れひかり居る小春かな

石鼎
浜草に雀むれゐる小春かな

石鼎
島がくる帆に色強し小春灘

石鼎
鍬ごとの上に陰ある小春かな

石鼎
むくむくと厚着の人や門小春

石鼎
燠入れていぶる炬燵や小六月

万太郎
言問のひまなぐあひや小六月

石鼎
畦の木に蔓枯れ細る小春かな

石鼎
大雲の消ゆ迅さ見し小春かな

草城
大淀や水の光も小六月

草城
小六月藁打つ嫗藁の中

泊雲
小春日のかげり早さや翠黛山

亞浪
萱刈りのかくて日暮らす山小春

石鼎
泊船の朱見えて小春松のひま

石鼎
山茶花の花よれよれの小春かな

石鼎
麦の芽に土塊遠き小春かな

石鼎
遠浅の底のしゞまや小春池

石鼎
波たてゝ沖の青みや小春池

蛇笏
めぐまんとする眼美し小春尼

石鼎
雪の富士鏡の如き小春かな

龍之介
小春日のけふも暮れけり古障子

龍之介
小春日を夕鳥なかぬ軒ばかな

龍之介
小春日の塒とふらしむら雀

龍之介
小春日や耳木兎とまる竹の枝

泊雲
小春日や丘の小藪の深みどり

泊雲
波しぶきあげて小春の垣根かな

泊雲
小春日や松の根方の肴売

泊雲
橋立の根方の村の小春かな

泊雲
小春日やつとたちよりし智恵の餅

泊雲
海の波小春の藪を見透しに

石鼎
広々と簀垣の内の浜小春

月二郎
大蘇鉄影して眠る小春寺

月二郎
城下町小春の小鳥鳴きにけり

万太郎
小春富士夕かたまけて遠きかな