和歌と俳句

花薄 薄の穂 尾花

露晴るるほすすきの金ただにゆれ 蛇笏

花芒平湯の径にかぶされり 普羅

花芒老母の腰を揉みに行く 耕衣

次々に風落ちて行く花芒 汀女

たえだえに入日のひほふすすきの穂 草城

すすきの穂ゆれて月光ひびくなり 草城

花薄茎をみせずにかがよへる 彷徨子

田へなびき大和の薄穂長なる 林火

すゝき新穂つやつやとして及び難き 綾子

伐木の乱るる岨の花芒 たかし

矢作とは浅き大河よ花芒 たかし

穂芒や水なき川が海に落つ 秋櫻子

穂芒に目覚めあからむ祖母峠 登四郎

芒、穂にいでゝ恵那いま雲の中 万太郎

我杖の障れば飛ばん芒の穂 虚子

うるほへる色仄かにて花すすき 蛇笏

穂に出でしばかりの芒山の雨 立子

鯛ひとつ投げて躍れる花芒 秋櫻子

穂すすきや噴きて無間の泥地獄 秋櫻子

穂芒や杳けく白き渚波 悌二郎

穂すすきや内ぶところに平家村 静塔

銅山の尾花月見にどか減りす 静塔

星もなき山端あかりに穂の芒 悌二郎

すすき出穂奥の細道畔をなす 静塔

花芒大雪山を楯となす 青畝

金髪の光をたたへ花芒 青畝

穂芒のそよりともせぬ野の真中 汀女

頭を垂るる前に芒は穂を立たす 誓子

噴火山芒は紅き穂を挙る 誓子



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