和歌と俳句

花薄 薄の穂 尾花

穂薄に居てはるかなる旅ごころ 草城

いたつきの人の活けたる尾花かな 月二郎

すゝき穂に出て古里を辞するかな 青邨

穂芒のなびけるをちに日本海 野風呂

花芒とゞく水車の廂かな 青邨

花芒はらりと解けし如くなり 立子

穂芒の解けんばかりのするどさよ 立子

上水のかくれてゆきぬ花芒 青邨

おもひでのみち尾花墓場まで 山頭火

ぱらぱらと穂芒はねて潔し 立子

人行きしあとへ鳥来る花薄 石鼎

芒の穂海の濃青をふくみけり 万太郎

おほらかに裾曳く富士や花芒 淡路女

曙の尾花むらさきふくみけり 亜浪

狐舎の径穂芒に没り踏みがたし 秋櫻子

穂薄に埋れ居れば風起る たかし

地獄沼荒凉と芒穂にいでぬ 秋櫻子

穂すすきにゆるるものみえたもとほる 蛇笏

機関車に助手穂芒を弄ぶ 誓子

穂薄に触るる思ひもただならず 楸邨



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