筍を地下より招く父の鍬
祖母の智慧狭まりにけり梅雨の花
前うしろ竹のはらから竹落葉
蕗をむく椅子はきしみてかなしめり
見たくなき瞼はたゆく昼の木菟
お花畑花も霧中の神がくし
縦走の足がとまらぬお花畑
お花畑桂冠を編みたくなりぬ
病葉や芭蕉は道の花摘まず
日光衆笠着て田植伏しながら
ながらひて目も空蝉のさらしもの
青あらし白樺の葉も与したり
杣道を檜はかくす夏祭
夕焼を西に作りぬ杣仕事
山水をかけし漆の祭笛
雪渓は立ちて汚れて人間味
わが胸に来て雪渓の雲岐れ
草国や目のくぼみたる昼寝覚
長雨や篠にかこまれ早苗挿す
草山に降り麦刈に太き雨
炎天に古鏡かくれて光りけり
赤飯は見るだけの宴合歓の花
雨神輿われは濡れたる百合起す
足袋脱ぎて鮎とつきあふ祭かな
戸障子を外す祭の在所にて