燈置けば百合本箱に映りけり
頬冠杣に真葛が中の雲の峰
杣が頬に触るる真葛や雲の峰
山の香の庵おそひ来る夕立かな
真清水の杓の寄附まで山長者
行く涼し谷の向の人も行く
山人の腹にしみたる氷水かな
腰元に斧光る杣の午睡かな
ひきかけて大鋸そのままや午寝衆
朝日影横這ふ朴や深山蝉
向日葵や腹減れば炊くひとり者
星天に干しつるる衣や杣が夏