和歌と俳句

原 石鼎

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雷をおそるる我に晴れつづき

風神と雷神こもり杉木闇

静もりし空やいつしかわたる

雷鳴や満池の金魚色を異に

ほろほろと雨つぶかかる日傘かな

ほろほろと雨のふり来し日傘かな

日の暮れてたぎつ滝川へ路出でつ

滝宿に投扇興のこの一間

かなかなや投扇興もうみしころ

美しき風鈴一つ売れにけり

美しき風鈴道に売れにけり

風鈴の一つは鈴虫一つは松虫とぞ

風鈴をおろして置きし机かな

ぎやまんの金魚燦たり雷のあと

満ち汐にすでに灯つらね川開

一輪の黄なるダリヤに心寄す