和歌と俳句

原 石鼎

40 41 42 43 44 45 46 47

ねぐら雀はたとなきやみ春浅き

片富士の雪解にならび入る日かな

鎌月も星も青みて余寒かな

いよよ闌けしみかんを食うて余寒かな

奥山に大雪やある余寒かな

旦夕べ綻ぶにあかねかな

咲き出でてとしりけり屋根ごしに

紅梅に照り沈む日の大いなる

に雲一つなき夜明かな

三月は鳥も啼かずにくれにけり

春雷のあるごとくらみ雨となりぬ

初東風とかはりし夕べはれにけり

やよひちかく太星一つ揺曳と

西空に揺曳し星春めける

鶲見し眼に火食鳥春の雨

大いなる花のに夜明け来し

消つ生れつ浮く薄雲の弥生かな

群ら星のあちらこちらの弥生かな

蒼空に連れ舞ふ雲の弥生かな

嶺々幾重煙霧とまがひ杉の花

吹きあぐる黄なる煙かや杉の花

はやばやと巣雀ねむりかな

星もなく天地に見えにけり

春の星帝釈天へ還られし

冥々晦として昼の花の雨