和歌と俳句

長谷川素逝

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円光を著て鴛鴦の目をつむり

日の中のひかりをひいて鴛鴦すすむ

鴛鴦あそぶ水玉水の上をまろび

鴛鴦をつつみてひかりよごれなし

寒に入る夜や星空きらびやか

まよなかの星寒天をあますなし

黝きまで寒紅梅の紅驕る

吃々と牡丹の枯枝日あたれる

もの音に冬木の幹のかかはらず

凍りたる土の日なたのほかになし

はなしごゑ冬木の幹につきあたる

凍土のおのが日なたの日もすがら

現し身をつつみて寒さ美しき

息しろくおのがこころとのみありぬ

といふことばのごとくしづかなり

人来れば障子を開けて出づるのみ