和歌と俳句

篠原鳳作

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南風や海より続く甘蔗畑

春雨傘さして馬上や琉球女

しののめの星まだありぬ揚雲雀

梭の音しづかに芭蕉玉ときぬ

青芭蕉吹かるる音と機音と

炎天や甘蔗のはたけは油風

縦横にはせ交ふトロや甘蔗の秋

踏ん張れる獅子の口より蚊火煙

炎天や水を打たざる那覇の町

浦風のあはれに強し走馬灯

宮守啼くこだまぞ古き機屋かな

松蝉を蘇鉄のみきにとらへけり

藻の如く靡く芭蕉や大南風

実を垂れてす枯れそめたる芭蕉哉

遠雷にこたへそよげる芭蕉哉

炎天に笠もかむらず毒蛇捕り

飴伸ばす如くにハブをしごきける

この島の乏しき菖蒲葺きにけり

浜木綿や礁に伏せある独木舟

干されある藻の金色や紫や