和歌と俳句

山口誓子

西開くままに流燈西へ行く

流燈群横切りしその舟にわれ

湖に出て光体はただ盆の月

月の下花火瓔珞ぶらさがる

燈を持たず来し堂塔の天の川

籾山に乗りて沈みて子は遊ぶ

海浪を爆破す冬の裏日本

嗽ラガー闘ふ場を濡らす

雪掻きて雪嶺に白き道つくる

積雪の嶺樹氷にて天に触る

さし覗く林間暗き樹氷林

樹氷凝る汝は何の木と知れず

虎落笛樹氷の林抜けるとき

雪嶺の大三角を鎌と呼ぶ

涸川を眼伝ふ海に出づるまで

火気を禁じて方丈に炭の饗