軍艦旗掲げて漁船年迎ふ
狼煙台今は初日を拝む台
鏡餅食べて韋駄天走せ給ふ
巨き船出でゆき蜃気楼となる
残雪を見す旧火口開け拡げ
藍染の黒き指にて蚕を飼へり
弓張の太平洋に凧揚る
男雛より女雛宝冠だけ高し
内裏雛眼はいづこまで達します
雛段に炊きたての飯奉る
鴨残る藤村の間に藤村も
蒲公英の円満の絮蝦夷古刹
海中に条里をなして海苔育つ
山国は大粒の雹笊に獲る
天よりの大粒の雹宝珠型
吉野川青野に長き流なす
直線の烏賊火は烏賊の潮に沿ふ
浜日傘五色の浜に色加ふ
空港に逆立つ風見鯉幟
躯無き武者にて鎧兜着る
蛍出よ出よと河鹿の声揃へ
親燕雷雨の中を餌を捕りに
蛍火の極限の火は緑なる
緑の葉重ね緑の蔭つくる
今植ゑし早苗は毛なり青毛なり