家持我が園の李の花か庭に散るはだれのいまだ残りてあるかも
晶子山でらの李はなちる月夜みち笛にひとりをのこして下りぬ
節さながらに青皿なべし蕗の葉に李は散りぬ夜の雨ふり
晶子ほのじろき李の花に降る雨も見て心燃ゆ人を恋ふれば
虚子咲きすてし片山里の李かな
素逝李花咲いて平和な村のすがたなれど
蛇笏雪ふりて又新暖の花すもも
角川源義「西行の日」花すもも産湯の井戸の水濁る
林火山国に咲きて李よ雲まとふ
秋櫻子まづ隠す李の花や雲行きて