和歌と俳句

夕立

白雨や揚る大工にさす日影 也有

ゆふだちや筆もかはかず一千言 蕪村

白雨や門脇どのの人だまり 蕪村

夕だちや草葉をつかむむら雀 蕪村

ゆふだちや市の中ゆくさゝら波 召波

見つゝゆけば夕立きえぬ清見潟 暁台

夕立や一棹岸へたらぬ舟 暁台

白雨や戸さしにもどる艸の庵 太祇

ゆふだちや落馬もふせぐ旅の笠 太祇

白雨のすは来るおとよ森の上 太祇

ゆふ立や秋を催す黍ばたけ 青蘿

夕だちやけふのあゆみも未申 几董

白雨や水晶の数珠のきるゝ音 几董

夕だちや傘を借す世は情 几董

夕立やけろりと立ちし女郎花 一茶

夕立が始る海のはづれ哉 一茶

竹垣の大夕立や素湯の味 一茶

浅間から別て来るや小夕立 一茶

寝並んで遠夕立の評議哉 一茶

夕立や大いさかいの天窓から 一茶

夕立や樹下石上の小役人 一茶

夕立や大いさかいの天窓から 一茶

夕立のとりおとしたる出村哉 一茶

夕立のすんでにぎはふ野町哉 一茶