春風や堤ごしなる牛の声 来山
春風や三保の松原清見寺 鬼貫
はる風に帯ゆるみたる寐貌哉 越人
春風もゆだんはならず鹿の角 千代女
春風やいろいろの香をそそのかし 千代女
春風や堤長うして家遠し 蕪村
春風のつまかへしたり春曙抄 蕪村
春風に阿闍梨の笠の匂かな 蕪村
曙のむらさきの幕や春の風 蕪村
野ばかまの法師が旅や春のかぜ 蕪村
片町のさらさ染るや春の風 蕪村
撫あげる昼寝の顔や春の風 召波
春風や浅田の小浪あさみどり 暁台
はるかぜに吹れて落す羽織かな 暁台
春風や薙刀持の目八分 太祇
矢橋乗る娵よむすめよ春の風 太祇
絵草帋に鎮おく店や春の風 几董
春風のこそつかせけり炭俵 几董
春の風艸深くても古郷也 一茶
春の風艸にも酒を呑すべし 一茶
春風に箸を掴んで寝る子哉 一茶
細長い春風吹や女坂 一茶
春の風いつか出てある昼の月 一茶
春風にしりを吹るる屋根屋哉 一茶
春の風おまんが布のなりに吹 一茶
ぼた餅や地蔵のひざも春の風 一茶
春風や八文芝居だんご茶や 一茶
春風や犬の寝聳るわたし舟 一茶
春風やからりとかはく流し元 一茶
春風や侍二人犬の共 一茶