和歌と俳句

竹藪を外れて花の嵐山 虚子

咲き満ちてこぼるる花もなかりけり 虚子

花に来て瓦堀りけり国分寺 喜舟

釣舟の漕ぎ現はれし花の上 久女

花の寺登つて海を見しばかり 久女

花の坂船現はれて海蒼し 久女

うす墨をふくみてさみし雨の花 久女

もり上り花あるところお寺かな 虚子

花だより書くひまありし貴船かな 虚子

燈台を花の梢に見上げたり 虚子

三熊野の花の遅速を訪ねつつ 虚子

石に腰縁起買ひ読む花の下 虚子

旅せはし花もよそなる京泊 風生

神前の花に進める修交使 虚子

花日々にふくらみやまず書庫の窓 しづの女

花の奥鐘の響を撞きにけり 茅舎

灯りぬ花より艶に花の影 しづの女

花の中鐘のひびきを撞くが見ゆ 茅舎

咲く花に散る花にいのちまかせたる 万太郎

空襲の灯を消しおくれ花の寺 久女

近隣の花見て家事にいそしめる 久女

別荘を出て別荘へ花の坂 虚子

花の旅ここでしまひや土産もの 立子