和歌と俳句

日永 永き日

憲吉
春の日は門に枝垂りし孟宗竹のしづ搖れつつも永く暮れずも

淋しさは花散りしきて日永かな 万太郎

鳥居坂日永の花でありにけり 万太郎

線香のこぼれて白き日永哉 漱石

世に遠き心ひまある日永哉 漱石

早蕨の拳伸び行く日永哉 漱石

良寛にまりをつかせん日永哉 漱石

そぞろ出て日永に顔をさらしけり 石鼎

永き日の机の疵をながめけり 草城

永き日や何の奇もなき妻の顔 草城

芳しき墨すり流す日永かな 喜舟

永き日のやや風だちて曇りけり 万太郎

くけ棣の引き絲さげて日永かな 汀女

日永ひねもす籾殻流る岸辺かな 爽雨

温泉の壺底なめらかに日永かな 龍之介

よぢれ伸びし蘭一茎や縁日永 風生

永き日や垣の上なる畑つづき 禅寺洞

びらう樹の下にかがめば日永かな 禅寺洞

日永畑金鶏草の蒔いてあり 禅寺洞