和歌と俳句

雲の峰

この浜の砂の熱さや雲の峯 石鼎

植ゑかへてダリヤ垂れをり雲の峰 秋櫻子

雲の峰都市計画にそびえたり 草城

釣りに出る品川沖や雲の峯 喜舟

月呑みてなかなか吐ず雲の峰 泊雲

雲の峰を西と東や天瑠璃に 石鼎

雲の峰夕やけて消えて暮れにけり 石鼎

牧草を積みし間の雲の峯 かな女

押売が村から村へ雲の峰 山頭火

ふるさとちかく住みついて雲の峰 山頭火

子のことは忘れられない雲の峰 山頭火

子のことも考へないではない雲の峰くづれた 山頭火

ぐんぐんと伸び行く雲の峰のあり 虚子

雲の峰風に吹かれてなびくかな 石鼎

灯り出しネオンサインや雲の峰 石鼎

屋根の上の異国の旗や雲の峰 汀女

ゆく手とほく雲の峰とほく 山頭火

深川の出水のうはさや雲の峰 万太郎

いたづらにそよぐ柳や雲の峰 万太郎

塔屋白しそだちやまざる雲の峯 しづの女

雲の峯海へ並み出て桃色に 草田男

大和田やただよひ湧ける雲の峯 鳳作

カヌー皆雲の峯より帰りくる 鳳作

航海やよるひるとなき雲の峰 虚子

ビルヂングより立ちのぼる雲の峰 青畝

海風に吹かれ疲れぬ雲の峰 立子

馳けてゆく水際遠し雲の峰 立子

胸はりて水著の娘雲の峰 立子

伝書鳩たへず輪を描き雲の峰 立子

牧はるか屯す馬に雲の峰 みどり女

ほのぼのと日出づるまへの雲の峰 石鼎

月島に煤けし雲の峰崩れ 茅舎

火口一つ四方の洋より雲の峯 草田男

みんなみに雲の峰らし朝まだき 石鼎

雲の峯夢にもわきてかぎりなし 楸邨

手を振りて雲の峯へと遠ざかる 楸邨

雲の峯八方焦土とはなりぬ 楸邨